活動紹介
メルマガ色鉛筆第113号「アイフォーン特集 番外編 パソコン、らくらくホンといざ対決」
タイトル 「アイフォーン特集 番外編 パソコン、らくらくホンといざ対決」
メルマガ色鉛筆編集チーム
新年あけましておめでとうございます。
今年も皆様にとってよい1年になりますようお祈りいたします。
色鉛筆もまたよい1年にしたいと思います。どうぞよろしくおねがいいたします。
アイフォーンは視覚障害者にもとても便利で、ボイスオーバー(Voiceover)を
用いた使用レポートを色鉛筆でも発行して来ました。今回はその番外編で、アイ
フォーン対パソコン、アイフォーン対らくらくホンの対決をしてみようと思いま
す。
便利、すごい、と言われるアイフォーンですが、パソコンと比べてどうなん?
らくらくホンと比べてどうなん? という切り口で、ポイントを突くことができ
るのではないでしょうか。
勝負の判定は編集部、ゲスト解説はこの人、アイフォーンのある生活にどっぷり、
という全盲のおにいさん(年齢不詳)、アイにいでお届します。
アイにい
「こんにちはー、こんばんはー、おはようさーん、アイにいですよー。」
第1試合 アイフォーン 対 パソコン
● 買ってすぐに使えるか。
アイフォーンは、設定のボイスオーバーをオンにすると音声読み上げが始まりま
す。パソコンはウィンドウズ10(WINDOWS 10)にはナレーター(Narrator)とい
う同様の機能がありますが、さくさく使うにはPCトーカーやNVDAといった読み上
げのソフトを入れたほうがよいです。
アイフォーンはネット接続も最初からできています。パソコンは、準備が必要で
す。
アイフォーンは、設定についてはほとんど変えなくても使いやすいです。パソコ
ンは、設定変更や工夫をしたほうがずいぶんと使いやすくなります。
☆ 判定 アイフォーンの勝ち。
アイにい
「わおー、アイフォーンはスマートだよねー。パソコンは詳しい人やお店に頼ん
で最初のハードルを下げてもらっちゃおうねー。」
● 文章を書く。
アイフォーンは、タッチ入力、音声入力、外部キーボード入力がある。タッチ入
力は時間がかかり、長文になればなるほどたいへん。パソコンは長文も大丈夫。
入力を途中から省略できる予測変換は、アイフォーンでは余計なときもある。最
近のパソコンでは、キー操作でうまく使い分けることができる。
文中を移動して修正するのは、アイフォーンはくれぐれも慎重に。パソコンは気
楽に。
★ 判定 パソコンの勝ち。
アイにい
「あー、やっぱりここはパソコンに負けたかー。長いメールよりも、ひとことラ
イン(LINE)だよねー。」
● 検索して動画再生。
アイフォーンは検索語を入れるのに時間がかかるので、なかなか見つからないと
きは苦労する。見つかれば、後の操作はスムーズ。パソコンは、検索して再生す
るまではスムーズ。ただしユーチューブ(YouTube)のように開けば再生するの
はよいが、再生ボタンが押せないページもある。
☆ 判定 アイフォーンの勝ち。
アイにい
「パソコンは、目で見てマウスで押さないと再生してくれない、ということがと
きどきありますねー。改善してくださいねー。」
● 得意分野。
アイフォーンは、GPSやカメラを活用したアプリ。パソコンは、文字情報の整理、
深い使いこなし。
= 判定 引分け。
アイにい
「アイフォーンにしかできないことは多いんだけどなー。何をしたいかによって
も変わって来ますね、この勝負の判定は。」
● 財布への負担。
アイフォーンは携帯電話会社に支払う月額料金がかかる。価格低下は起こりつつ
あるが、ネット接続の容量制限などいろいろある。パソコンは、選べば本体は安
い。ネット接続に毎月いくらかかるかは、家族と共用か新たに契約するかにもよ
る。
★ 判定 パソコンの勝ち。
アイにい
「うむー、アイフォーンにはMVNOという奥の手もあるけど敷居は高し。」
第2試合 アイフォーン 対 らくらくホン
● 電話として。
アイフォーンは、慣れれば不便はない。らくらくホンは、らくらく。
= 判定 引分け。
● メール。
アイフォーンはらくらくホンよりも時間がかかる。らくらくホンは、指の感覚だ
けで、音声を聞かずに入力することもできる。
★ 判定 らくらくホンの勝ち。
アイにい
「将来、いい方法、いいアプリができるかなー。それに期待。」
● ライン(LINE)。フェイスブック(Facebook)。
アイフォーンはできる。らくらくホンはできない。
☆ 判定 アイフォーンの勝ち。
● 便利な場面。
アイフォーンはいろんな場面で活躍。らくらくホンも、アイモードでネットを活
用できたが、ざんねんながらサービスが終わりかけている。
☆ 判定 アイフォーンの勝ち。
アイにい
「アイフォーンのアプリで広がる可能性はすごーい、ものすごーい。」
● ラジコ。
アイフォーンは、ラジコでラジオが聞ける。らくらくホンは聞けないが、機種に
よってはテレビ、ワンセグ放送が見れる。
☆ 判定 アイフォーンの勝ち。
アイにい
「あちゃー、テレビ付きとは負けるかと思ったー。」
● おしゃれ。
アイフォーンは今風。別売りのケースで外見を変えられる。らくらくホンは懐か
しのぱかぱか。
☆ 判定 アイフォーンの勝ち
アイにい
「おしゃれなこともうれしいポイントでっせー。」
● 電池。
アイフォーンは、電池の寿命が来たら本体ごと買い換えるような発送で作られて
いる。今年から交換費用が値下げされる見込み。外部バッテリーが使える。らく
らくホンは、中の電池を新品に交換してもらえる。
★ 判定 らくらくホンの勝ち。
アイにい
「あー、こんなところにも負けるポイントがあったかー。」
いかがだったでしょうか。アイフォーン、パソコン、らくらくホン、それぞれに
視覚障害者の強力な道具、ツールです。
あらためて見て行くと、パソコンは設定をはじめ手を加える箇所がたくさんあり
ますね。PCトーカー系のソフトだと話は別ですが、快適に使うには知識や勉強が
要ります。
らくらくホンは、電話とメールはばっちり、他にもやれることが意外にあります。
でも、アイフォーンは、やれることがその何倍もあって、一方で操作の心配があ
って、お金のこともあって …と悩ましい存在です。
アイフォーンについては、また当事者の声によるレポートをお送りしたいと思い
ます。アイにい、よろしくね。
アイにい
「みなさーん、いっしょにアイフォーンの可能性を探って行きましょう。うわー、
またバージョンが上がってるー。視覚障害者もついて行けるようにおねがいしま
すよー、アップルさーん。」
ーー このメールの内容は以上です。
発行: 京都府視覚障害者協会
発行日: 2018年1月12日
☆どうもありがとうございました。