活動紹介
メルマガ色鉛筆第53号「自分と周り」
タイトル 自分と周り
ペンネーム 銅でもいい男改め、銀でもいい男(40代 男性 弱視)
レポートの要旨です。
自分の存在と周りの方たちとの関係性、
あるいはその逆について考える時があります。
今回は、自分と彼女との関係性を中心に、
また、大切な彼女が身近にいることで思うことについて書いてみます。
ここから本文です。
今年45歳になる独身、メタボリックな男なんですが、
最近10数年ぶりに彼女ができました。
仕事で知り合った彼女は年下ですが、会社からすごく必要とされている方で、
年上の僕から見ても人として尊敬でき、また元気に挨拶する姿に好感が持てる方であります。
そんな彼女と仲良くなり始めたのは約9か月前。
そのきっかけは、彼女から相談したいことがあると連絡があり、一緒に食事に行ったことでした。
僕としては、年上としてのアドバイスができればとの思いで食事をしたつもりでした。
しかしその後、週末に何回か食事に行くようになり、また映画にも行くようになりました。
「もしかして彼女のことが好きなのかな」と思う自分もいましたが、
仕事をきっかけに知り合ったということもあり、
お互いに楽しい時間を過ごせているんだと自分に言い聞かせていました。
彼女は2回目の食事の時に「結婚はしたくない。子どもはいらない」と話していましたので、
「僕とは真逆な人だな」と思っていました。
週末に行く食事のお店は彼女が選び、観る映画は僕が選んでいました。
半年が過ぎた頃に、食事のお店を僕が選び、彼女を誘いました。
そのお店は男の友達と通っていたお店で、
そこのママさんから「今度は彼女と一緒に来てください」と声をかけられていました。
ママさんへの紹介では「仕事で知り合った方です」としか言えず、
家に帰ってから何か悶々としたものを感じました。
後日ママさんからメールが来て、「とても感じの良い方ですね。頑張って」と言っていただきました。
その1か月後、一緒にライブに行きました。
その帰りの電車の中、
「ほんと、(あなたは)シャイだなぁ~」と、彼女はしみじみ言いました。
その言葉を聞いた僕は、もしかしたらお互いの気持ちは同じなんじゃないかなと感じました。
でも、その日は今までと同じように彼女を家まで送り、僕は何も言えずに帰りました。
それから1週間が経ち、仕事帰りに喫茶店で待ち合わせをしました。
家においしい日本酒があるという話をしたら、
彼女が「家に行こう」と言うのです。
まさか来ないだろうと思って話したことなので、僕はびっくりしました。
家で日本酒を飲み、酔いの力も借りて「好き」と伝えると、
彼女もうなずき、
お互いの気持ちを確認することができました。
恋人同士になってから、彼女からいろんな話を聞きました。
「会う前日は2時間もかけてパックをしているのに、当日あなたは何も言ってくれない。
何回も続くからいい加減疲れてきた」、
「このことを会社で月曜日に話すことが定番になっていて、
会社の方は連続ドラマの続きを聞くように楽しみにしていた」、
「けど、こんなに時間をかけて付き合ったことは初めてなので、なんだか新鮮でもある」などなど。
付き合った当時は週末何時に迎えに行くぐらいしか連絡してなかったのに、
今では毎日LINEでメッセージのやり取り、
夜には声が聞きたくて電話で話してる。
4月から僕の仕事環境が変わり、多忙でしんどい日が続くけど、
彼女がいてくれることで次の日も頑張ろうと思える。
そのことが嬉しくて彼女に感謝している、そんな毎日です。
振り返ると、彼女の周りには会社の方たちと友達、僕の周りにはママさんや日本酒を送ってくれた友達、
僕たちは本当に周りの方たちに支えられていたんだなと思います。
すべての方に感謝です。
僕と彼女は弱視です。
彼女は自分の眼疾を思い、「子どもはいらない」と言います。
将来のこと、眼疾のことと、まだまだ互いに話していかなくてはいけないことがありますが、
周りの方に支えてもらいながらこれからも一緒にいたいです。
ありがとう。
ちなみに、シルバーウィークの初日に彼女と一緒にライブに行きます。
だから、「銀でもいい男」なんですよ。
彼女にとって、僕がその歌手の歌詞のようになれたらと思ってます。
「ずっとヒーローでありたい
ただ一人 君にとっての
ちっとも謎めいてないし
今さらもう秘密はない
でもヒーローになりたい
ただ一人 君にとっての
つまずいたり
転んだりするようなら
そっと手を差しのべるよ」
編集後記
幸せ感に満ちたレポートが届きましたが、
最初に気を引いたのは「10数年ぶり」というところです。
何年も出会いがないとこの先もないように思えてきたでしょうし、
それだけによろこびはなお一層大きかったのではないでしょうか。
みなさんも、何か「10数年ぶり」のよろこびはありますでしょうか?
幸せを手にした銀でもいい男さん、ご祝福申し上げます。
幸せのパワーをどうぞご自身のため、大切な彼女のため、周囲の人のため、
そして社会のために用いて、幸せを広げていってください。
-- このメールの内容は以上です。
発行: 京都府視覚障害者協会
発行日: 2015年10月16日
☆どうもありがとうございました。