メルマガ色鉛筆第285号「手紙~La Vie En Rose~ 」
タイトル 「手紙~La Vie En Rose~ 」
メルマガ色鉛筆編集チーム
こんにちは。
メルマガ色鉛筆編集チームです。
今回は私的なお手紙を共有します。
お手紙の中のお名前は色鉛筆スタイルで色を連想させるものにお着換えしていま
す。
それ以外は、私的なお手紙そのままです。
思春期のお孫さんJ君は手紙を書きました。
手紙の宛先はJ君のおばあちゃま、ローズさんです。
ローズさんは高齢になってから視覚障害になりました。
だから手紙はメールで届けられました。
これなら音声でローズさんにも読めます。
お二人の間で交わされたあたたかなやりとりを、お届けします。
J君からの手紙
敬老の日が過ぎて何をあげたらローズさんは喜ぶのかと考えました
結果、メールでの手紙という形を取ることにしました。
俺が1番ローズさんを尊敬するところは「受け入れる」ということが出来るとこ
ろです。
ローズさんには目が見えないというハンディーキャップがあります。
しかもそれは生まれ持ったものではなく後天性のものです。
つまりは今まで出来ていたことが、そして見えていたものが
色や形を無くして消えてしまうことを意味します。
けどローズさんはそれを受け入れて今を生きています。
そこには、俺なんかには計り知れない喪失感と恐怖、
そして否応無しにさせられる覚悟があったと思います。
それを自分自身に置き換えて考えると俺はその喪失感には耐えられないと思いま
す。
今まで見てきた世界から色が無くなり輪郭が消え、
大切な人の顔がどうなってるかさえ見えないと思うと怖くて耐えられないです。
だからこそそれを受け入れて生きているローズさんは
とても強くとても逞しいと心から思います。
俺の知ってる名言に「障害は不自由である。だが、不幸ではない。」
という言葉があります。
これはヘレンケラーが言った言葉です。
俺もヘレンが言ったように障害は別に不幸ではないと思います。
ローズさんには支えてくれる人がいて仲間がいます。
それは人生においてこの上ない幸福だと齢18歳は思います。
ローズさんは心の中でそんな仲間たちに感謝するのと同時に
迷惑をかけてるなぁと思っているかもしれませんがそんなことはないと思います
。
かえって勇気を与えていることでしょう。
支えてもらう代わりに
周りにこんな「目でも生きていけるんだ」と勇気を与えているんです。
俺は白杖をついて歩くローズさんの隣を歩いている時、
恥ずかしさや周りの目を気にするようなことはないです。
むしろ誇らしく思います。
だから気にせず呼び出して頼ってください、
それくらいしか俺には出来ません。
乱文失礼しました!
以上Jより。
ここからは、ローズさんのお返事です。
J君、敬老祝いのmessage
胸の中がてんてこまいしたよ。
あのヤンチャ坊主がいつの間に
こんな泣かせる love letterを書くようになったのかと、
感慨一入。
J君、ローズさんは本当は受け入れたくなかったよ。
けど、泣きながら受け入れました。
仲間に助けられていること、しっかり見てくれていたんだね。
ここが、何よりうれしいよ。
これからも、白杖フリフリ歩くので
ガイドよろしくね。
J君、このラブレターはローズさんの心の中にしっかり結んでおくからね。
魂が吹っ飛んだよ。
Thank you very much
ローズさんより
編集後記
お二人のやりとりから、
ちゃんと見る、そこから感じる、さらに考える、
それは想像することへとつながっていくんだ、
そんな力強いものを受け取りました。
純粋で聖なるものがJ君のハートには宿っているようです。
J君の手紙はキラキラしています。
深紅のバラがお好きなローズさん。
お好きな言葉は「La Vie En Rose」、
バラ色の人生を意味します。
クリスタルの粒子が降り注ぐ光の道、La Vie En Roseに感謝の拍手です。
-- このメールの内容は以上です。
発行: 京都府視覚障害者協会
発行日: 2022年12月2日
☆どうもありがとうございました。