メルマガ色鉛筆第１８４号「シリーズ コーラスあおいとり５」
「シリーズ コーラスあおいとり５」
メルマガ色鉛筆編集チーム
こんにちは。
メルマガ色鉛筆編集チームです。
視覚リハビリテーションの中から生まれた活動を共有します。
京都ライトハウス鳥居寮には文章講座という訓練科目があります。
グループセッションを通して自己表現をワイワイ楽しむ時間です。
そんなにぎやかな講座を修了された方が集う場があります。
文章講座修了者の会あおいとりです。
文章を書いたり読んだりを重ねながらつながっておられます。
あおいとりから生まれた「気になった歌詞のフレーズ」という作品テーマに、
現役訓練生さんが挑戦されました
ＯＢさんはそれぞれの作品にコメントされ、寄り添っておられます。
ＯＢさんと現役さんの言葉のコーラスをお届けします。
見えない・見えにくい、それがきっかけで同じふるさとを持つ人たち。
そんな皆さんの思い、陽気なピーチクぱーちくをどうぞ。
タイトル 気になった歌詞のフレーズ
★いきものがかり「WE DO(ウィ ドゥ)」
２０１９年活動再開。
軽快なリズムと歌詞がいいのです！
♪新しくなりましょう♪や♪ドキドキしちゃうコタエつくりたいじゃん♪といった挑
戦的な歌詞にこころ動かされました。
いくつになっても新しいことやものに出会えるのっていいかも。
怖いけど…。
これにつきるかもしれません。
★寄り添い１
放牧で充電されたいきものがかりから、元気を貰える曲ですね。
♪思いっきり腕をまわせ 叫べ♪
タオルの代わりに白杖を回したくなります。
ーー
★THE COLLECTORS「限界ライン」
ボーカルの加藤ひさしとギターの古市コータローを中心に３３年続けてきたロック
バンド「THE COLLECTERS」。
圧倒的な歌唱力と叫ぶように声を上げるギター。
彼らの奏でる音のひとつひとつがファンの気持ちを高揚させる。
歌詞に強く引かれ、そして考えさせられ、生き方を変えてみたいと思えた。
♪不可能とかできないとか言い訳並べる前に越えていこうぜ、限界ライン…ついてこ
いよ♪
♪ラッキーとかハッピーとか待ってても歩いてこない、だから行くのさ、限界オーバ
ー ついてこいよ♪
この二節に触発され、姉とともに初めて参加したライブ、そこから私の世界は広がっ
た。
本当に自分が行っていいのだろうか、楽しめるだろうか、
迷惑にならないだろうか。
心配と不安、そしてなにより恐怖が私を支配していた。
それが二時間後には、また行きたい、今度はいつライブをやるのかな、
大阪なら行けるかなと思っている私がいた。
ステージのパフォーマンス、メンバーの衣装や振り付けは見えない。
けれど、感じることができる。
会場の一体感、臨場感…やっぱり生は違うんだと改めて思った。
今まで自分で決めていた限界を超えられた一曲。
色んなことに挑戦できると思えるようにしてくれた一曲。
自分ができないと思っていたことをできるんだと思えるようにしてくれた一曲。
この曲は私にとっての特別な一曲となった。
★寄り添い２
♪ついてこいよ♪
ここで思わず♪ついていくよ♪と歌っちゃうのは私だけでしょうか？！
常識なんて言うモノは １８までにため込んだ 偏見だらけの バカなコレクション
私はこのフレーズにも「そやそや」と頷きました
ライブはいいですよね。
そんな、自分が行っていいんだろうかなんて考えないで
白杖は振り回さない程度に限界ライン超えちゃって下さいね。
ーー
★ZORN「don't look back」
この曲を初めて聞いた時からはまりました。
その理由は、自分らしく前を向いていこうというメッセージが伝わってきたからです
。
歌詞の中に、
♪誰の成功も参考にならねぇ♪
とあります。
今までの自分は何をするにも人と比べたりしていました。
この歌詞を聞いてからは、自分にとっての成功は自分にしか作り上げることが出来な
いんだなと感じました。
疲れた時でも、この曲を聞くたびに、前を向いて歩いていこうと思えます。
★寄り添い３
凄く聞き取りやすいラップですね。
スローテンポだからでしょうか？
言葉を大切に作られているのだと想い、一言一言噛みしめて聴きました。
ーー
★菅田 将暉「まちがいさがし」
私が昨年一番聞いた曲は菅田将暉の「まちがいさがし」です。
菅田将暉さんはなんと僕と同じ年生まれなんです。
個性的な俳優さんで好きです。
この曲はドラマ「パーフェクトワールド」の主題歌でした。
このドラマは僕が障害をかかえた時と同じタイミングで放送されました。
障害をかかえた主人公がどういうふうに生きていくかを描いたドラマでした。
自分と重なっているような気持ちで見ていました。
ドラマの中で流れていたのが「まちがいさがし」でした。
♪まちがいさがしの間違いの方に生まれてきたような気でいたけど♪
という歌詞に心を打たれました。
おっとりとしたメロディなのに気持ちが直球で伝わってきて、心を持っていかれるよ
うな感じがします。
聴いていると、時間を忘れて何度もリピートしてしまいます。
まちがいであっても強く生きていくという気持ちがこもっています。
今訓練が辛くても頑張ろうと思えます。
♪間違いか正解かだなんてどうでもよかった♪
今は今で充実してやっています。
★寄り添い４
私は菅田将暉さんとは全然違うお年頃ですが、
大好きな俳優さんです。
まちがいさがしの正解の方では会えなかった人に会えた幸せを大切にしよう、
この曲を聴くといつもそう思います。
ロングホープ・フィリアも好きでよく聴いています。
ーー
★MOROHA「革命」
この曲を初めて聞いたのは一カ月前、虚無感で寝れない夜。
鳥肌がたった。
普段音楽は曲をメインに聴いていて、
あまり歌詞には意識を向けていなかった。
歌詞にここまで心を震わされたのは初めてだった。
強烈に心に残った。
「革命」はなにも動くことのできない僕の尻を叩いた。
何かやらなければならないという気持ちがくっきりと見えた。
MOROHAはギターとマイク一本で自分の思いを真っ直ぐに歌っている。
歌声と人柄なのか、言葉は心に入ってくる、伝わってくる。
それをギターが後ろでそっと盛り上げている、とてもいいコンビネーションだ。
どろくさい感じでリアルを歌っているからだろうか、人の心を震わす。
♪今まで恥ずかしかった事
夢や希望真顔で語った事
今まで恥ずかしかった事
あいつ痛い寒いと言われた事
今まで恥ずかしかった事
身の程を知れって言われた事
何より恥ずかしかった事
それを恥ずかしいと思った事♪
と
♪今日が終わる いや今が終わる
そう思えた奴から明日が変わる♪
このフレーズが今の僕の心に響いた。
そして、いつも思う。
心を動かすのは簡単だけど体を動かすのは難しいということ。
それが出来たらなにか変われるような気がする。
そして、もう一つ、文章を書いていていつも思う。
本当に好きなものや感動したことをその感情と同じくらいの言葉で伝えるのは難しい
。
いつももどかしい気持ちになる。
いつか自分の感動を上手に言葉に乗せて伝えられるようになりたい。
★寄り添い５
本当ですね！
心にストレートに入ってくる歌詞ですね。
「心を動かすのは簡単だけど身体を動かすのは難しい、
それができたら何か変われるような気がする」
この言葉が歌詞と同じくらい響きました。
ーー
今回は「気になった歌詞のフレーズ」というキーワードでした。
フレーズはどこに引っかかったのか、今の自分、過去の自分、明日の自分、いろいろ
でした。
また、そんな心の響きに寄り添うコメントはふわっと温かかったです。
そこで１曲、「笑顔」いきものがかりさんの曲を紹介します。
♪抱えきれぬさびしさのなかで もしも君がひとりでいるのなら
ばかみたいにがむしゃらに 僕はずっと手を伸ばしたいんだ
わかりあうことは難しいけど 分かち合うことは僕にもできる
ただとなりにいるから いつも君のそばにいるから
いつだって真ん中にあるよ たいせつなものはここにある
つつむような君のその手が優しい 強く握り返すよ
いつかちょっと悲しいこともある いつかちょっと嬉しいこともある
でもぜんぶ笑えたらいい ぜんぶ抱え生きていけたらいい
すべてがまた変わってしまっても なんどでも花を咲かせよう
しあわせになれるように 君とともに歩いていけるように
笑いながら泣くような日々を 泣きながら笑うような日々を
そうやって生きていこう だから僕は強くなりたい♪
今回は気になるフレーズを所々抜き出してみました。
いきものがかりの曲は、朝ドラの主題歌になったりＣＭに使われたりしていて、たく
さんの楽曲が知られています。
ボーカルの声の魅力と歌詞にあるシンプルで純粋な思いが心地よくフィットします。
ラフで元気なＯＢさんのコメントは笑顔をイメージさせる力がありました。
♪わかりあうことは難しいけど 分かち合うことは僕にもできる
いつだって真ん中にあるよ たいせつなものはここにある♪
このフレーズにある思いと重なります。
♪いつかちょっと悲しいこともある いつかちょっと嬉しいこともある
笑いながら泣くような日々を 泣きながら笑うような日々を♪
このフレーズには、笑顔を描いていけますようにという祈りも感じます。
心に響くものを語る人、その語りに寄り添う人、そのハーモニーは、
心の中で白杖を振り回すほどパワフルなのかもしれません。
シリーズ コーラスあおいとりでは、
心のさえずりを言葉のコーラスに仕立ててお届けしていきます。
次回の唱和ではどんな色が描かれるでしょうか。
それでは皆様、ごきげんよう。
－－ このメールの内容は以上です。－－
発行： 京都府視覚障害者協会
発行日： ２０１９年２月１４日
☆どうもありがとうございました。