[報告] JR「兵庫」駅和田岬線ホームでの体験会

 関西盲導犬協会
 関西盲導犬協会では、JR西日本の協力を得て、駅ホーム体験会を3月18日に
行いました。主に通勤で電車を利用している盲導犬ユーザーに参加を呼びかけた
ところ、12名の参加がありました。JR西日本からは、「神戸」駅や「西明石」
駅など実際の駅業務に携わっている社員16名が勉強会に参加されたほか、岡山や
金沢の支社からも見学に来られていて、全部で40名を超える参加があり、視覚障
害者のホーム移動についてJR側も大きな関心を持っておられることが感じられ
ました。
 この体験会は、JR社員の勉強会も兼ねており、3部構成で行われました。1部
では、盲導犬ユーザーがホーム端に向かって歩いているような危険な場面やホー
ムから転落してしまった場合など3つのパターンに分けて、駅員の声かけや安全
な場所への誘導などのシミュレーションが行われました。
 2部では、実際に盲導犬ユーザーが線路に降り、JR社員からホーム下の構造
などの説明を受けました。自力では上ることが難しいホームの高さを体感したり、
ホーム下の待避所に入ってみたり、停車している電車の車高を確認することがで
きました。
 そして3部では、5つのグループに分かれ、盲導犬ユーザー、JR社員、当会職
員とでフリーディスカッションを行いました。「駅員の対応で困ったことは?」
「どんなふうに声をかけるのが一番いいですか?」などJR社員から積極的に質
問が出される一方、「視覚障害者が皆、同じように援助を必要としているわけで
はないので、まず援助が必要かどうか、そして必要であれば、どういう援助が必
要なのかを聞いてほしい」といった要望も出され、駅員・視覚障害者それぞれの
立場から忌憚のない意見が飛び交っていました。
 当日参加したユーザーからは、「ホーム下の退避スペースを見た経験がなく、
退避する空間があるのだろうなあと想像していただけだったため、実際に確認す
ることができ、とてもよかった」「実際にJRの駅員さんと話し合いをすること
ができ、改札にいる駅員からは、自分が想像しているよりも、実際には自分は見
えていないのだということを知ることができた」などの感想が聞かれました。
 今回、体験会で使用した和田岬線は、山陽本線の「兵庫」駅から分岐し隣の
「和田岬」駅を結ぶ一区間の短い路線で、主に「和田岬」駅周辺にある工場に通
勤する人のため電車が運行するので、日中に電車が動くことはありま
せん。線路に降りる体験も日中にこのホームなら、ということで実現しました。
 今回の体験会を1回で終わらせるのではなく、JR西日本と相談しながら今後
もこの体験会を継続していきたいと考えています。

関連画像


線路に降りてホーム下の構造を体感している様子


現在、シンプルな表示の白黒反転画面になっています。上部の配色変更 ボタンで一般的な表示に切り換えることができます。


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