メルマガ色鉛筆第293号「私の工夫4 外出編」
タイトル 「私の工夫4 外出編」
メルマガ色鉛筆編集チーム
こんにちは。
メルマガ色鉛筆編集チームです。
見えない・見えにくいと何かと苦労する外出、
一方、そんなに苦労してないよという方もおられます。
一人でのお出かけ、誰かとお出かけ、持ち物についてなど、
さまざまな工夫やアイデアを共有します。
★一人で外出する場合。
どんなところにお出かけでしょうか?
住宅周辺数キロ範囲、毎朝90分程度散歩。
ATM(音声ガイダンスで操作)や郵便ポストなど、現地でのサポートが不要なと
ころ。
慣れたスーパーやコンビニ、近くの医院や銀行など
現地でのサポートをお願いしやすいところ。
バス・電車を使っての単独通勤や作業所への通所。
なるほど、どうにかなる範囲、いろいろありますね。
★いつもの一人歩き、やっていることは。
盲導犬と一緒。
見守っていただけるように、自分の振る舞いを意識するために、
明るい色の洋服を着て人目につくようにする。
夜でも目立つように淡い色の上着を着る。
目につきやすいように背筋を伸ばして堂々と歩く。
バス乗車時に系統番号を尋ねる。
道に迷った時は、首を傾げるなどして困ってますオーラを出す。
反射材やライトなどを携帯する。
交通機関の乗車、降車、乗り換えはサポートを依頼。
方角に迷ったら、スマホのコンパス機能を使用して調べる。
手荷物は持たないようにする。
一人では難しい所へは行かない。
わからなくなったらとりあえず止まり、信号などや人の流れなどを確認してから
歩く。
路面の状況や点字ブロックなど地面の感触がわかるよう、底の薄い靴を履く。
時間を気にせずゆっくりできる日に日常の買い物をする。
目的地が複数ある時は、どの順番で移動するかシミュレーションする。
ロスなく行くにはどの順番がよいか、二度手間にならないように
周辺に他の用事はなかったかなど考える。
雨が降ったとき傘をなるべく持たなくていいルートを考える。
行きつけのお茶休憩できるお店や利用しやすいトイレを開拓しておく。
時刻や場所、飲食店であればメニューなどをネットで調べておく。
事前に、目的地までの交通経路や利用する交通機関および時間を、
スマホならグーグルマップ、パソコンならマイルートで調べておく。
スマホの歩行支援アプリを利用。
歩きやすい歩道、慣れた道を選び、近道であっても危険箇所を避ける。
地域の情報は地元の方々を中心に事前に聞いておく。
ガイドヘルパーさんと何度も通所練習をする。
なるほど、ハイテクとアナログの合わせ技だったり、
慎重さと事前準備があるのですね。
★旅行やはじめての場所へ一人で行く時は。
念入りに下調べをする。
旅行の場合は公共交通機関の乗り方、駅の構造、目的地までのアクセス、
目的地の利用方法など。
現地での食事も、事前にメニューをネットで調べ食べるものを決めておく。
買い物は、オンラインショップで事前にチェックし、ほしいものに目星をつけて
おく。
電車、タクシーを利用。
他府県では全国視覚障害者外出支援連絡会(JBOS)を利用。
初めていくところは白杖をもって歩く。
おいしい香りや行列らしき気配を感じたら、思い切って「それ何ですか」と質問
してみる。
なるほど、さらなる準備が出てきますね。
そして、勇気も必要なんですね。
★白杖を持っての外出、その思いとは。
白杖を持つようになってからの方が買い物はしやすくなった。
「これは何色ですか?」とか、「こういうものを探しています」ということを
言いやすくなった。
白杖を持っていることで「見えにくいからこんな質問をしています」ということ
が
相手に即座に伝わるので余計な引け目を感じることがなくなった。
良くも悪くも厚かましく、「私は見えないからみんなが避けてね!!」
という気持ちで歩いている。
声をかけてもらったり席を譲ってもらった時はしっかりとお礼を言い、
助けが必要ない場合はその旨を伝える。
今回助けてもらう必要はなかったけれど、
声をかけてもらえたことはとても嬉しいということを伝えるために、
ありがとうと一緒に「助かります」という言葉も付け加えるようにしている。
どうしても1人で出かけなければならないときは
白杖を片手にヨタヨタしながらでも駅周辺まで行ければ
どなたかが声をかけてくれる。
その方のご厚意にあまえて改札口まで連れて行ってもらう。
駅では駅員さんが下車駅に連絡してくれるので、なんの不安もなく移動すること
ができる。
壁や点字ブロックを白杖で探っていると、誘導されることが多くなった。
自分では白杖で確認しながら歩いているつもりでも、周りの人たちからみれば
ぶつかっているように見えるのだと気づいた。
ウィンドウショッピングは難しい。でも、何があるのか知りたい。
あきらめてばかりだったけれど、いつの間にか少しずつあつかましくなってきた
。
知らないものは触らないとわからないものばかり。
説明をきいて触らせてもらって、お値段を教えてもらって、
お店の方にそれなりに時間と手間をかけてもらったけれど、
「ごめんなさい、また来ます」と笑顔で言えるようになった。
見えない私のウィンドウショッピング、たまにはいいかと。
なるほど、さまざまな思いも携えつつ、白杖と一歩、また一歩ですね。
★ガイドヘルパーさん、どんな時に利用しているの?
初めてのところ、通院、お見舞い、葬儀、買い物、美容室、自分一人の用事の時
、
スポーツジム、会食やイベント、レクリエーション、子供の学校行事、
駅員さんの連絡では時間に間に合わない時、
広い範囲を把握する必要がある時、
がんばれば一人で行けるところでも移動だけで疲労するのは困る時。
周りの状況を確実にみてほしいとき、あらゆる外出に。
目的地までの利用で終了し、現地では友達と行動する。
なるほど、移動だけでなく、目的地でのサポートが必要な場合ですね。
★ガイドさんとお出かけ、事前に準備することは。
買い物では、どんなものがほしいか、好みかを伝えやすいように
自分のお気に入りの服を着たり持っていったりする。
あまりタイトなスケジュールは組まない。時間も心も余裕があるほうが上手くい
くから。
買い物リストを作っておく。
目的地までの移動中に、その日に買いたい物やルートなどを伝えておく。
雨が降る時や降っている時は、レインポンチョを持って行ったり着て行く。
手引きしてもらう時もちゃんと白杖で自分の前を確認。
なるほど、伝えるための準備と足元確認が大切ですね。
★ガイドさんにお願いしていること、うれしいポイントは?
降りる段か上がる段か、階段の前で教えてもらう。
電車やバスに乗る時は、乗り口のドアを教えてもらって自分で確認してから乗る
。
エスカレーターではベルトをつかませてもらう。
ヘルパーさんの車で移動(自治体によって異なる)。
階段の下りは避けて、エレベーター、エスカレーターを利用する。
ウィンドウショッピングや似合うものを一緒に選んでもらったりして楽しい。
代筆もお願いできるので、銀行などの手続きも楽になった。
なるほど、安心と楽しさがありますね。
★家族・友人など親しい人との外出は。
自分から腕を持たせてとお願いする。
家族とは車で移動。
ガイドさんと外出する時の手引きと同じ。
市役所など個人情報を守りたい時。
家族以外とはなるべく外出しない。
ガソリン代は自分が負担し、車の運転をお願いする。
段差だけは絶対に教えて!!と伝える。
段差・傾斜があれば教えてもらう。
夜や暗い場所は手引きを頼む。
歩きにくい歩道を避けてもらう。
誰かと外出する時は、お互いに気持ちよく過ごせるように話をするようにしてい
る。
一緒に外泊するときは部屋風呂が温泉の宿を取るようにする。
互いに一人でゆっくりできる時間は大切。
ついこちらの事情を優先してもらいがちなので、しっかり相手と相談しながら決
める。
恋人は、私ができそうなことは見守っててくれる。
見守りが入るとか肩を持たせてくれるとか、
手引きとはちょっと違うと思う、のろけです。すいません。
なるほど、手引きのプロではないけれど、
「人と人、よろしくお願いします」の一歩ですね。
お出かけする時の持ち物について
まずは、どんなバッグがいいかな。
リュック
ショルダーバッグ
ショルダータイプのトートバッグ
エコバッグ
なるほど、手が使える工夫ですね、反射材を付けるのもよさそうです。
★持ち物、いろいろあります。
ハンカチ、時計、メガネ、サングラス、財布、定期券、携帯電話、
布製かビニール製の袋か風呂敷。
折りたたみはさみ(ちょっとしたものを開けたり糸くずを切ったり重宝)。
ポケットティッシュ、家のカギ。
常備薬、コロナワクチン接種券、タオル、あめ玉。
マスク、飲み物、ペン。
なるほど、いつも持っているもの、人それぞれですね。
では、見えない見えにくいならではの持ち物とは。
白杖、障害者手帳、ルーペ、帽子と遮光眼鏡、弱視眼鏡。
雨の日のお出かけなら、二人で入れる傘。
白杖が折れてしまった時などに安心、予備の白杖。
脱いだ靴などの目印に洗濯ばさみ。
所持品はなるべく手元に置いておくほうが安心なので、
椅子の背もたれなどにバッグをかけるためのS字フック。
夜道で活躍する強力ライト。
白杖の先を覆うカバー(室内で白杖を使用する時に便利、テーブルの脚カバーで
代用)。
メモをとったり退屈したときのための録音再生機、デイジー再生器。
何かとさわることが多いので、消毒液、ウエットティッシュ。
値札やサイズ、賞味期限、書類などを外出先で読めるように小型の拡大読書器。
折り畳み式白杖のケース(折りたたみ傘を入れるもので代用、内側がタオル地や
水分を吸収してくれる素材なら雨天時も安心)。
なるほど、困らないための工夫には目印や危機管理グッズがありますね。
★荷物少な目さん。
忘れもの、落としものがないよう、所持品はできるだけ手放さないようにする。
ポケットやカバンに入れる。
ジャケットはポケットの多い物を選ぶ
★防災減災など危機管理対策も。
外で電車が止まったり避難しなくてはならない事態がいつ起こるかわからないの
で
常に水かお茶、一日分生きられる非常食、
下着、靴下、衛生用品、タオルなど最低限のものと、
予備の白杖を常に持ち歩いている。
保険証、お薬手帳、身分証明書も常に携帯。
携帯電話、墨字と点字両方書けるメモ用紙と道具、セロテープ、はさみなどは
リュックに入れたまま)。
なるほど、荷物少な目さんも危機管理対策さんも荷物は一心同体ということです
ね。
★すぐに出せる工夫は。
財布や障害者手帳などは出し入れしやすいポケットに。
イコカやポイントカードは手帳入れの中に。
障害者手帳は伸縮性のあるリードでバッグにつなぎ、落とさないように。
スマホはスマホポーチにいれて、腰にぶらさげて。
荷物が多い時は、リュックサックと小さなバッグの二つ持ちをし、
小さいショルダーバッグにスマホ、障害者手帳、乗車券を入れる。
エコバッグは大きいのをバッグの中、小さいのはバッグ金具に取り付ける。
まとめ買いする時はレジ篭リュック、軽いし両手が使えるが、折りたためない。
なるほど、慌てずスマートに、そして安全にということですね。
★うれしい情報も。
関西で公共交通機関を利用するときは、スルッとKANSAI 特別割引用ICカードが
便利。
本人用と同伴者用の2枚セットで、割引額でICカードが利用できる(JRは利
用不可)。
編集後記
出かける、そのためのいろんな工夫やアイデアがありました。
「こんな工夫もあるよ」と、皆さんの周りでおしゃべりがひろがっていきそうで
す。
工夫もアイデアも、もしかしたら失敗やしんどさから生まれたのかもしれません
。
ちょっとしたこと、自分にとっての普通が誰かのお役立ち情報になるかもしれま
せん。
私の工夫第5弾はお台所編をお届けします。
-- このメールの内容は以上です。
発行: 京都府視覚障害者協会
発行日: 2023年2月24日
☆どうもありがとうございました。