メルマガ色鉛筆第265号「窓辺にて2」

タイトル 「窓辺にて2」
メルマガ色鉛筆編集チーム
 こんにちは。
メルマガ色鉛筆編集チームです。
4月よりスタートした「窓辺に手」、連載第2回です。
タイトルをしりとりでつなぎながら、いろんなジャンルの文章が登場します。
第1回は点字、地味、ミミの3作でした。
そのバトンを受けて「ミント神戸、ベル、ルビーの指輪とタイトルがつながれま
した。
窓を開いてひろがる世界、
見えない・見えにくい中でひろがる世界お届けします。
タイトル 「ミント神戸」
ペンネーム オーシャンブルー(20代 男性 弱視)
 ミント神戸は、兵庫県神戸市中央区にある大型複合施設です。
服屋さんはもちろん、映画館やレストラン、雑貨屋さん、カフェなど
多彩なフロアがあります。
私は祖母とそこでよく買い物をします。
そこで買った服や帽子、靴やアクセサリーなどを常に身に着けて日々楽しんでい
ます。
全体的に少しお値段はお高めですが、
本気でおしゃれしたい、おしゃれに興味があるという方にはおすすめです。
館内はそんなに混雑はなく、店員さんもすごく親切で愛そうがいいので
ゆっくり落ち着いて買い物を楽しむことができます。
店員さんもお客さんもおしゃれで若い人が多い印象です。
 レストランフロアもあり、私はペペロンチーノを食べました。
和食屋さんで季節の天ぷら御膳を食べたこともあります。
ランチもいいですが、夜がおすすめです。
神戸の美しい夜景を見ながら食事、それだけでも贅沢ですよね。
場所は神戸三宮駅前。
三宮にはJR・阪急・阪神・ポートライナー・地下鉄があります。
最も近いのはポートライナーの駅、2階の改札を出るとすぐ目の前にミント神戸
があります。
JRの東改札を出て右へ
上に上がり左へ進むと、
左手にポートライナーの改札があります。
改札が左、右がミント神戸です。
阪神線・地下鉄の駅からは地下通路から行くことができます。
1階には大きなバスターミナルがあるので路線バスや高速バスなどを利用して行
くこともできます。
ーー
 おしゃれ大好きオーシャンブルーさん、しかも電車が大好きということで
言葉の道案内がポイントなんですね。
 さて、何かがはじまりそうな力強い音が聴こえてきましたよ。
お次は「ベル」からひろがる言葉の窓をどうぞ。
タイトル ベル
ペンネーム 天使の羽根(60代 女性 弱視)
目覚ましが鳴っています。
ベルの音で起こされました
もう少し眠りたいなー
それにしても、ベルの音って心臓に良くないですよね
おもわず手を伸ばして目覚ましを止めます。
見てません、手探りです。
このことって目が見えていた時も見えにくくなっている今も同じですよね。
何も変わっていない私がいます。
朝日を浴びて、外の空気をたっぷり吸って、新聞を取ります。
これも昔と同じ、何も変わっていない私がいます。
サアー今日も一日元気に楽しもう。
ーー
見えているけど見ないでやってきたことってありますよね。
その一つが目覚まし時計を止めるということ。
新しい朝が始まる音に、「見えにくいけど大丈夫」を見つけたんですね。
 まあるい朝日はもしかして何かの暗示でしょうか。
お次は「ルビーの指輪」からひろがる言葉の窓をどうぞ。
タイトル ルビーの指輪     
ペンネーム 深い紅(70代 女性 弱視)
 太陽が沈む時刻はあっという間に早くなり、すとんと夕暮れの闇に包まれる。
彼女は仕事を終え、急ぎ足で夕食の買い物をスーパーですませた。
暗く寒くなった秋の終わりにお腹をすかせた子どもが彼女を待っている。
両手にカバンと食材のつまったレジ袋を持ち暗くなった道を歩く。
彼女はふっと空を見上げた。
月明かりが彼女の足元を照らしていた。
心に余裕のなかった彼女にふと差し込んだ光。
空を見上げると十三夜の月が東南の空に輝いていた。
彼女は月を見上げ、その大きな輝きと形にぎょっとした。
満月がかけ始めた月が8個見えた。
大きな輪になり円を描き黄色くまばゆく輝いていた。
 
 小寒の底冷えのする夕暮れの寒さは本格的だ。
仕事を終えた彼女は家路を急ぎ、小さな私鉄の始発駅で電車が来るのを待ってい
た。
電車が入ってこないかと線路の先を見ると、
太陽のコロナのように赤いリングが浮かび上がった。
まあるく大きくぼうーと輝きリング状に見える。
まるでルビーの指輪のように。
美しく真っ赤に光る輪に彼女は眼をこすり、彼女は自分の薬指を見つめた。
そこにキラキラ輝いていた若き日の自分の姿をみつけた。
 
 20代前半の彼女は、高島屋の宝石売場にいた。
半年後に結婚しようと決めた恋人と。
若い二人は自分たちの財布に見合った金額の婚約指輪をさがしていた。
ぜいたくは出来ないけれど二人の未来はバラ色に包まれている、そう信じていた

わくわくとラブラブ、満ちたりた時間だった。
これからいっぱいの幸せがあるんだ、
赤い輝きを見つめながら二人で楽しく指輪選びをしていた。
彼女の目には小さな赤いルビーの指輪が朝の太陽のように大きく素晴らしく輝い
て見えた。
 8個の月のまばゆさも赤信号がルビー色にきらめき輪を成すことも
彼女の人生のクロスロードに降りてきた暗示だったのかもしれない。
 今はたまにしかはめない小さなルビーの指輪は、彼女の人生を彩る記念品だ。
また降りてくるだろうか。
新たな人生のページをめくる時、
あの可愛い赤いリングが。
ーー
  人生のクロスロードに降りてくる輝くリング。
それは意味のある暗示なのかもしれない、記憶の中の点と点を結ぶ窓がひろがり
ました。
 さて、次回の窓辺から、どんな世界がひろがっているでしょうか。
シリーズ第3弾でご一緒しましょう。
 -- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2022年5月13日
☆どうもありがとうございました。


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