メルマガ色鉛筆第259号「見え隠れする親友」
タイトル 「見え隠れする親友」
ペンネーム ホワイトスティック(10代 女性 弱視)
レポートの要旨です。
生まれつき見えにくい私は、白杖が生活の中にあるのが自然でした。
いろんな人と出会う中で、白杖があることが自然ではない人もいることを知りました
。
盲学校にも、盲学校の外にも見えない・見えにくい人がいて、いろんな気持ちがあっ
て、自分とはちがう思いの人がいて。
そんな中、「歩く」というテーマで文章を書くことになりました。
私にとって「歩く」ってなんだろう、私の素直な気持ちを書きました。
ここから本文です。
私にとって一人で歩くことは冒険です。
一人で冒険するのって不安、普通はそうかもしれません。
私の場合、実は一人ではないんです。
私は「見え隠れする親友」を連れて歩いています。
その親友の名前は白杖です。
白と赤と黒のボディーで、私の好きな海の生物がワンポイントの白杖です。
これは「見え隠れする親友」の見えている部分です。
そして、白杖は私にとって身体の一部です。
実は親友なんです。
親友は私の身体と心を支えてくれます。
これが「見え隠れする親友」の隠れている部分です。
だから私は白杖のことを「見え隠れする親友」と呼んでいます。
視覚に障害のある人の中には白杖を持つことに抵抗を感じる人も多いと思います。
自分は視覚障害者なんだと実感することでしんどい気持ちになったり、恥ずかしいと
思う人もいるでしょう。
なかなか白杖を持つ気持ちにもなれないようです。
そのような人に白杖をもって歩きなさいというのは酷だと思います。
それならば、まずは「心の親友、隠れた親友」として親しみを持つことから始めてみ
てはいかがでしょうか。
実際に持つというのは見える部分の白杖だから、それは先延ばしでいいと思います。
白杖ってのが自分のそばにあるだけでもいいかもしれません。
「心の親友、隠れた親友」と思うことさえも、受け入れがたい人もいるかもしれま
せん。
それならば、何か一つ自分の好きなものを白杖につけてみてはどうでしょうか。
好きなキャラクターとかストラップとか。
持ち物として愛着が持てるようになると、抵抗感が少し和らぐかもしれません。
白杖を持つことは恥ずかしいことじゃない。
世界中の視覚障害者の人が堂々と白杖をもって歩いてほしいです。
編集後記
見える部分、見えない部分という切り口で白杖と向き合う、若さあふれるレポート
でした。
白杖への思いはさまざま、その上で「私の主張」をビシッとされました。
そして、素敵なお名前、「見え隠れする親友」さんと出会えました。
白杖に親しみをこめてニックネームをつけてみる、そんなアイデアもいただきました
。
皆さんのそばにいる白杖さん、さてどんなニックネームがいいでしょうか。
皆さんのそばにはいない白杖さん、もしいつかそばに来たらどんなニックネームがい
いでしょうか。
-- このメールの内容は以上です。
発行: 京都府視覚障害者協会
発行日: 2022年3月11日
☆どうもありがとうございました。