メルマガ色鉛筆第224号「息子との1年間をふり返って」

タイトル 「息子との1年間をふり返って」
ペンネーム ルイボスティー(30代 女性 弱視)
★レポートの要旨です。
 2019年11月、私は男の子のママになりました。
目が見えなくても子供が欲しくて欲しくて、約1年の不妊治療を経て授かりました。
息子が生まれてからは、世界観が変わりました。
本当に色んな事がありましたが、この機会に少し振り返って書いてみようと思います。
★ここから本文です。
 産後の数か月は、今思い出しても決して楽しい毎日ではありませんでした。
子育ての考え方の違いから、夫とよく衝突しました。
激しい時は私が家を壊すんじゃないかというくらい暴れました。
見えない私と見える夫との間の行き違いや、
それとは関係なく、お互いの考え方からくる衝突が何度もありました。
今も小さなケンカは毎日のようにありますが、何とか乗り越えていきたいものです。
 私がほとんど見えなくなった約1年後に息子がやってきました。
息子の姿が見えたらなって思うことはたくさんあります。
可愛いわが子を記録に残したい気持ちは見えている人と同じです。
なので、私はiPhoneで息子の写真や動画をたくさん撮っています。
家族で写真を共有できるアプリを使って、夫や実家の家族に見てもらっています♪
ただ、よくフレームアウトして息子の姿が映っておらず、
楽しそうな声だけが入っていることも多いです(笑)
いつか見えるようになったら私も見たいし、
息子がもう少し大きくなったら一緒に見て、思い出話をしたいです。
我が家での珍事件はしょっちゅう起こります。
私が気づいていない間に、キッチンでつかまり立ちをした息子が炊飯器の蓋を開けていて、そのまま放置され、中にあったご飯が冷めてカピカピになったことが数回ありました。
先日はつかまり立ちをした息子がキッチンの扉を開け、
その中にあった米びつをひっくり返してしまいました!
びっくり仰天、私はこぼれたお米を必死に拾い集めましたが、
息子は床に散らばったお米で遊んでいました(笑)
他にも、洗濯物が入ったバケツをひっくり返されたこともありました。
息子は嬉しそうに床の水をバチャバチャ触っていました(笑)
もう一つの大事件、それは何と紙おむつを洗濯しちゃったことです!
ベッドシーツを洗濯しようとしたところ、なぜだか中に紙おむつが混入していたのです。
それに気づかず洗濯機をオン、何とそのまま乾燥機にも入れてしまいました!!
この時ほど紙おむつの恐ろしさを感じたことはありません。
数日間は紙おむつの吸水ポリマーとひたすら戦いました(涙)
見るも無残な状況でしたが、見えなくて良かったかな?(笑)
どんなことになったかはご想像にお任せします。
「見えないことが理由で起きる事件」があると私の気持ちは下がります。
そうかと思えば息子に癒されて、また気分は上昇、その繰り返しです。
幸い、大事に至ったことはありませんが、
まだまだ油断はできない、気が抜けない日々が続きそうです。
 家の中では私も息子と一緒にハイハイをして遊びます。
自分の家なら私も自由に動けます♪
これ、結構良い運動になるんです。
そして、とにかくたくさん歌っています♪
ぐずっている時は歌うと泣きやみますが、
歌をやめるとまたぐずるので歌いっぱなしです(笑)
子供向けの歌や私が好きな歌、ジャンルは色々です。
また、点字シールを貼った絵本を読み聞かせしています。
点字シールはボランティアさんに作ってもらいました。
点字をスラスラ読めるわけではないので、ほとんど話を覚えて読んでいます。
どんな絵が描いてあるのか想像しながら。
最近、息子は手づかみで食べることが上手になりました。
よちよち歩きが始まり、少しずつおしゃべりしようとしている姿が何とも可愛らしいです。
息子と一緒にできることがどんどん増えてきました。
息子の成長が楽しみでたまりません。
子育てをしながらの生活は、失敗もあり、夫とのケンカもあり、
自分の気持ちがどうしようもなくなる時があります。
私は夫に息子を預けたまま、白杖を持って家を飛び出したことが何度もありました。
でも、どんなに私が逃げようとしても、息子のママは私しかいません。
一日が終わって息子を寝かしつける時間に、私の気持ちがリセットされます。
息子の目には私がどんな風に映っているんだろう、
初めて見る世界をどんな風に見ているんだろう。それを息子の口から聞く日が楽しみです。
不器用なママだけど、これからもよろしくね。
編集後記
 お子さんとの日々をアルバムをめくるようにお話しいただきました。
うわー、大変、
まあ、かわいい、
思わず感嘆の声が出ます。
そして、こちらの表情まで豊かになります。
気持ちがぐっと下がることがあっても、小さな命はすくすくとそばにあるんですよね。
どうしようもなくなる日もあるけれど、これからが楽しみ、
子育てママのハートはまるでジェットコースターのようです。
はじめて見る世界、お子様と一緒に見る世界、また聴かせてくださいね。
-- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2021年3月26日
☆どうもありがとうございました。


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