メルマガ色鉛筆第222号「動画なぁどうかなぁ」
タイトル 「動画なぁどうかなぁ」
メルマガ色鉛筆編集チーム
レポートの要旨です。
見えない・見えにくい私達がユーチューブ動画を制作・発信することについて、経験者にお話を聞きました。
イベント「白杖安全デー」の動画発信に実行委員として加わって、撮影、編集、アップを試してみた経験談や今後に向けての思いを語ってもらいました。
ここから本文です。
メルマガ色鉛筆を発行している母体の京都府視覚障害者協会は、見えない・見えにくい人の安全な外出を目指すイベント「白杖安全デー」を毎年継続して催しています。今年は人が集まれない事情のもと、ユーチューブの動画を制作し配信することになりました。そこでメルマガ色鉛筆では、動画制作に加わった実行委員のわくわくわくちゃんに、このユーチューブがものすごく広まった現代、見えない・見えにくい私達がそこに参加することについてお話を聞きました。
ーー 当事者から動画発信というのはどうでしょうね。
よいと思います。
便利な機器やグッズのデモ動画とかやれるとよいと思います。
アイフォーンのアプリ紹介なども。
また、旅行、観光の動画では、見えない・見えにくい私達がどんなふうに楽しめるか、という独自の情報発信ができるだろうと思います。
ーー そんな情報発信がすでにあるかどうか、調べてみましょうか。
検索して出て来るのは、サポート側の人や団体の動画ですね。
当事者のものもありました。
目が見えないYouTuberさんの動画です。
ーー やはり動画の発信は見えないとむずかしいですよね。
自分で撮影するとしたら、顔が半分しか映ってないとか、足ばかり映っているとか、やばいものが映ってしまっているとか、大問題ですね。
撮影後に自分でチェックができません。
この最初の段階で撃沈です。
ーー 見える協力者がいてほしいですね。
今回、「白杖安全デー」で動画を作ることになって、ちょうどその体制で進めることになりました。
見える人と見えない当事者がうまく協力できるとよいですが、まったくの試行錯誤からのスタートでした。
周囲の詳しそうな人にたずねたりしながら情報収集をしました。
アイフォーン本体で撮影、編集、アップロードができる、と教えてもらいました。
希望がわきました。
ボイスオーバーの操作で、見えない私達にもやれる方法はあるのではないかと思いました。
ーー アイフォーンで撮影できるのですね。
撮影は、たとえばアイフォーンに最初から入っている写真アプリのビデオでやれます。
音も内蔵マイクで行けます。
ですが、よりよい音で撮影したくて、外部マイクを手に入れました。
よりよい音、広い範囲の音を録音できるアイフォーン用の高性能マイクが市販されています。
試しに撮影したものを、ちょっと再生してみましょうか。
私が大きな交差点の横断をする動画です。
走っている車の音、音響信号の音、白杖を振る音がリアルに聞こえますね。
歩いている様子が音からもわかりますね。
この動画は協力者の人に撮影してもらいました。
ーー 動画制作には編集が要りますよね。
編集は、先頭部分の削除など、ボイスオーバーの操作でもできることはあります。
ですが、テロップを入れる、BGMを付ける、画像の処理や加工はざんねんながら見えないとむずかしいです。
ーー そして、できた動画をユーチューブにアップですね。
そこはボイスオーバーの操作でできました。
今回の「白杖安全デー」の動画制作をきっかけにこうやって実際にやってみることができました。
これが次につながるとよいと思います。
当事者団体として、このようなことをやって行けるとよいと思います。
そして、個人でやるとしたら、仲間といっしょにやれるとよいと思います。
個人でやると、公式ではないので、発信しやすいですしね。
ーー 「白杖安全デー」の動画を視聴するには?
「京都府視覚障害者協会」のホームページが検索するとすぐに見つかります。
第54回白杖安全デーのページに行くと、3本の動画があります。
1本目は、コロナ禍での視覚障害者の生活、移動面での不便さについてその様子と、当事者の思い
2本目は、視覚障害者が抱えている道路横断、自転車対応など交通問題について報告
3本目は、盲導犬ユーザーの外出中の課題について、その様子と当事者の思い
配信期間は、2月22日(月)~3月31日(水)までです。
色鉛筆読者のみなさんも、ご自分やお知り合いのパソコンやスマホでぜひ開いてみてください。
ーー わくわくわくちゃん、動画制作おつかれさまでした。お話、ありがとうございました。
-- このメールの内容は以上です。
発行: 京都府視覚障害者協会
発行日: 2021年3月5日
☆どうもありがとうございました。