メルマガ色鉛筆第199号「歌声も色とりどり」
タイトル 「歌声も色とりどり」
ペンネーム 夜色鷹人(40代 男性 全盲)
レポートの要旨です。
いつの間にか歌声の音色を楽しむようになった。
すると、この世界を豊かだと感じるのだった。
見えない世界のそんな一面、よろこんでいいよね。
ここから本文です。
うちのCD棚にはクライズラー&カンパニー「シャコンヌ」がある。
1995年の作品なんだけど、みなさんはクライズラー&カンパニーを知っています
か。バイオリンの葉加瀬 太郎のグループで、葉加瀬さんのバイオリンを主とするカ
バー曲やオリジナル曲がこのアルバムにも収録されている。
カバー曲もアレンジが加えられていておもしろい。
それにも増して葉加瀬さんに関心する。
曲ごとにバイオリンの音色がちがう。
曲調に合う音色がちゃんと出ている。
そう言えば、超一流のチェロ奏者、ヨーヨー・マのCD、バッハの無伴奏チェロ組曲も
第1番から第6番までどれもちがった表情を感じさせる音色だった。
人の歌声はバイオリンやチェロ以上に多彩、人によって声質も歌い方も様々だよね
。歌を聞くときは、メロディーや歌詞、曲のアレンジも楽しいけれど、声から受ける
印象、歌声の音色から伝わって来るものに耳を傾けるのも楽しい。
こういう歌声もいいなぁ、などと新たに見つかるのも楽しい。
ほっこり要素があると思ったのは、足立佳奈「ココロハレテ」。
洗いざらしの綿のような印象を受けたのはビッケブランカ「まっしろ」。
(どちらもユーチューブで聞けます。)
みなさんは誰の声が好きですか。
歌声の音色を聞く、というようなことにも、自分が目が不自由であることが影響し
ているのだろうか。
音の細かな変化に気が付くようになる、というのは必要に迫られて身に付くことだよ
ね。その点では関係しているとも思える。
ともあれ、この世界は見ることをしなくても豊かだと感じれるのは、よかったと思う
。
喜んでいいと思う。
編集後記
目が不自由だということが影響している、それはふとしたところで感じます。
また、すべての部分で感じるという方もおられるでしょう。
歌声、音色というところにスポットを当てた時、もしかして敏感になったのかなとい
う瞬間があったとして、それを喜んでいいよねと、誰かに語り掛けることは、安心の
バトンを受け取ることと重なるようです。
これ、喜んでいいよね、そんな安心のバトン、受け取ったり、届けたり、それができ
る色鉛筆、次回は200号です。
-- このメールの内容は以上です。
発行: 京都府視覚障害者協会
発行日: 2020年7月17日
☆どうもありがとうございました。