メルマガ色鉛筆第185号「見えない2人での初めての旅行 その1」

タイトル 「見えない2人での初めての旅行 その1」
ペンネーム ブラックポルシェ930カレラ(40代 男性 全盲)
 レポートの要旨です。
 かつてのパートナーとの初めての旅行の話です。
「今は違うの?」なんて野暮は言わないでくださいね(苦笑)。
行先は長崎のハウステンボス、全盲のパートナーとの旅はお互い初体験だったのです

 ここから本文です。
 自分は40代で全盲となり6年、パートナーは子供の頃全盲となり20年、
歩くこともパソコンもiPhoneも全て彼女のほうが上手な2人でした。
それまでも単独で仕事の出張に行くことや実家に帰省することはありましたが、
誰かと一緒の旅行は初めてでした。
 テーマパークなら人がいるから迷ってもなんとかなるかなと、
行先はバラとイルミネーションを感じることができる長崎のハウステンボスに決定。
120万本のバラが咲いている5月(今は130万本となっているよう)。
さっそくネットでホテルと飛行機を予約することに。
 調べていくうちにテーマパーク内にオフィシャルホテルを発見。
パークの中にあるので、閉園時間後や早朝のパーク内も散策し放題なことに魅かれま
した。
そこで、宿泊はこのホテルアムステルダムに決定。
 さらにHPを読み進めていくと、特典やクラブラウンジがあることもわかってきま
した。
利用特典の詳細を電話で問い合わせしたところ、
対応してくれたスタッフさんがとてもていねいで好印象でした。
チェックアウト日のパスポートのみプレゼント(現在は2日目以降プレゼント)。
クラブフロアに宿泊だと、空港からホテルまでの送迎バスが無料。
ラウンジでアフタヌーンティーをいただきながらのチェックイン(3段のトレイにス
コーン、スープ、サンドウィッチ、デザートがのった本格的スタイル)。
オードブルタイム、Barタイム、それぞれで軽食やおつまみや赤白のワイン、ウィス
キー、ビール、ソフトドリンクが楽しめる。
部屋の内装も特別で、リネンやアメニティも全てローラ・アシュレイで統一。
そして、ラウンジが開いている間は専従のコンシェルジュが常駐。
これだけの特典と安心ならと、クラブフロアを予約しました。
予約後、希望するサポートを直接コンシェルジュに電話で伝えることができました。
 ホテルの外はどうやって動こうか。
パーク内のレイアウトがわかる触地図があればなんとなくでも動けるのではないかと

触地図の作成を新潟大学の渡辺先生に依頼しました。
ご多忙の中、パーク全体のレイアウト図とタウンごとのレイアウト図の計7枚を作成
してくださいました。
 これで準備完了。
あとはドキドキしながら出発の日を待ちました。
出発前にケンカになったらどうしよう、そんなことまで考えたのもドキドキの原因だ
ったかもしれません(笑)。
 いよいよ出発、パートナーと羽田空港カウンターで待ち合わせ。
そこからは空港のスタッフにお任せで長崎空港に到着。
 ハウステンボスのカウンターまで連れていってもらう間に、わがままを言って大村
名物の大村寿司(ちらし寿司)を購入しました。
僕の父は長崎出身で、子供の頃から長崎に行くたびに食べていた思い出の味です。
父が亡くなって以来だったので、どうしても食べたかった味でした。
 バスにてハウステンボスへ、約1時間でホテルアムステルダムに到着。
バスを降りると、コンシェルジュが待っていてくださいました。
期待通りの優雅なチェックイン。
触地図をさわりながら、希望のタウンやアトラクションへのルートをコンシェルジュ
と確認しました。
 部屋に案内していただき、まずは環境認知。
落ち着いていてリラックスできそうな雰囲気の部屋は45平方メートルあり、
パークサイドビューで、イルミネーションがよく見える部屋でした。
バス・トイレもとてもゆったりとしていました。
ラウンジとエレベーターに近く、ドアを開けるとすぐにコンシェルジュがとんできて
くれるのでとても便利でした。
 そうこうしているうちにオードブルタイムとなり、ラウンジに行ってみました。
ビュッフェのように料理の種類も多く、ワインと食事を楽しみました。
皿うどんやスモークサーモンやチーズもあり、お腹はいっぱいに。
 お目当てのアニーおばさんのチーズケーキを買いに行こうとホテル入り口に向かう
と、女性スタッフが声をかけてくださり、
チーズの城(チーズ製品を販売しているタウン)まで案内してくださいました。
そこでチーズケーキを持ちきれないくらい大量購入。
オフィシャルホテル宿泊特典でホテルまで運んでもらえて、とても楽チンでした。
 帰り道に仮面舞踏会のステージがあったので、立ち寄ってディスコミュージックを
楽しみました。
ホテルに戻るとロビーコンサートが始まるところで、引き続き音楽を楽しみました(
要1ドリンクオーダー)。
パーク内では至るところで音楽が流れ、雰囲気を盛り上げていました。
 ラウンジで少しくつろいでから部屋に戻り、お楽しみの大村寿司をいただいて入浴

アメニティも全てバラの香りで統一されており、これまた優雅な香りに包まれながら
眠りにつきました。
 2日目、朝食をラウンジですませてパークへ。
ドアガールに目的のタウンの方向を確認して歩き始めたのですが、道路も歩道も石畳
、もちろん点字ブロックはありません。
至るところにバラの植え込みがあり、わかるのは水音で水路と水路にかかっている橋
くらい。
 早朝で人の気配もなく、途方にくれていたところ、やっと人の声が聞こえてきまし
た。
--
 さて、見えないお2人の旅はどうなるのでしょうか?
次回、3月6日にお届けします。
-- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2020年2月28日
☆どうもありがとうございました。


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