メルマガ色鉛筆第181号「レシピエッセイ7」

タイトル「 レシピエッセイ7」
メルマガ色鉛筆編集チーム
 こんにちは、メルマガ色鉛筆編集チームです。
 何がおいしい、どこのお店がおいしい、こうしたらおいしいなんて話題になる
と、
皆さんのお口はなめらかになるようですね。
というわけで、レシピエッセイ7を企画しました。
トークと味覚の達者ポイント全開でお届けします。
タイトル 「最強の調味料は郷土愛?」
ペンネーム スカイグラデーション(30代 女性 全盲)
 直径数メートルの大鍋を、ショベルカーがかきまぜている。
そんなニュース映像を見たことがある人もいるかもしれない。
わが地元、山形県の名物「日本一のいも煮会」は全国でも有名らしい。
 秋になれば、どこのスーパーでも「材料を買えば鍋は無料で貸し出し」が行わ
れ、
コンビニでも薪(たきぎ)が買える。
それなりの規模の河川敷には炊事場が完備されている。
これぞ山形、県全体の特徴といえる。
家族で、サークルで、職場で、
とにかく山形の秋は「いも煮会」をやらないと始まらない。
つくったいも煮は隣近所のグループと交換しあって、
食べ比べてみるというローカルルールもおもしろい。
 さて、「いも煮」という食べ物はけっこう奥が深い。
なにしろ、大学生の卒業論文のテーマになるくらいである。
そして、地域ごとにちょっとずつ違う。
 例えば、わが地元の山形県内陸ではしょうゆ味で牛肉、
山形県庄内ではみそ味で豚肉と、
県内でも地域によって違う。
ちなみに、お隣の宮城県はみそ味で豚肉だが、庄内のいも煮とはちょっと具が違
うらしい。
それぞれが「うちのいも煮が一番」というプライドを持っていて、
盲学校のいも煮会ではケンカしないように2種類ともつくっていた。
 春はお花見、秋は河原でいも煮会、
そんな文化で育った私も今は静岡に住んでいる。
河原とはいわなくても、やっぱり秋にはいも煮が食べたくなる。
親から受け継ぐレシピとはまた違う意味でのソウルフードなのだろう。
 私のいも煮はキノコが多めで、ゴボウは入れない。
どうせ台所でつくるので、サトイモも冷凍のものを使う。
今では味付けを一発で決められるようになった。
これ、ちょっと自慢(笑)。
 家に職場の人を呼んだり、
地元の視覚障害者協会のメンバーの自宅のお庭を借りてアウトドア気分を味わっ
たり、
やっぱり地元の味って最高だ!
それをみんなが「おいしい」と言ってくれるので、さらにうれしくなる。
●山形内陸風いも煮
<材料>6~10人分
 大量につくるのがふつうなので、鍋は半ずんどう鍋くらいがよい。
家庭用のカレー鍋の場合は、この3分の2くらいの材料になる。
冷凍サトイモ 2~3袋(1袋だいたい10個入りなので、お好みで)
牛肉 400グラム
ニンジン 3分の1本
ゴボウ 1本
長ネギ 1~2本
平コンニャク(白、なければ黒でもよい)
お好みでシメジ・マイタケなどのキノコ
砂糖 大さじ4~5杯
顆粒(かりゅう)だし 2回分くらい(小袋スティックで2本)
料理酒・しょうゆ 適量
<作り方>
 1.コンニャクはフォークなどで穴をあけ、一口大に手でちぎる。
いも煮とは違う鍋でお湯をわかし、コンニャクを5分くらい下ゆでする。
ゆでたコンニャクはザルにとっておく。
 2.ニンジン・ゴボウをささがきにする。
ピーラーを使うと楽にできる。
面倒なら、ニンジンはイチョウ切りでもよい。
キノコは石づきをとり、ほぐしておく。
牛肉は一口サイズにしておく。
 3.鍋を火にかけ、温まったらそこで牛肉を軽くいためる。
 4.いったん火をとめ、サトイモ・ニンジン・ゴボウ・コンニャク・キノコを
鍋に入れる。
めん類を食べたりする大きなどんぶりで、人数分の回数の水を鍋に入れる。
または、材料がひたひたにかぶるまで水が入っていれば大丈夫。
このとき、牛肉に赤身が多いものを使っている場合は、牛脂を入れるとよい。
煮込んでいる間にネギを斜め切りにしておく。
 5.沸騰するまで強火で煮る。
沸騰したら味付け、調味料を入れる。
料理酒は鍋3分の1周くらい。
砂糖は大さじ4杯くらい。
しょうゆは鍋3周くらい。
いったんかきまぜて味をみる。
一味足りない場合は、だし・砂糖・しょうゆをちょっとずつ足す。
 6.弱火で15分くらい煮る。
ネギは、最後に入れて軽く火を通すだけでOK。
トロトロおネギが好きな人は、味付けが終わったら一緒に入れて煮込む。
 できあがり!!
★ワンポイントアドバイス
 火をとめて30分くらい寝かせておくと、味がしみこんでよりおいしくなる。
 2杯目は、カレーのルー(1箱の半分)とうどんを入れてちょっと煮込み、カ
レーうどんいも煮で楽しむ。
これが慣例。
 編集後記
 今回のレシピエッセイには3つの「しょく」がつまっていました。
ご当地色、ご当地食、ご当地触。
個性、地域の味、ふれあいの文化がグツグツと煮込まれていました。
それを分かちあうことで思わず自分がにこっとなる、
まさにソウルを感じる瞬間なんですね。
 レシピエッセイのシリーズには、手抜きあり、男料理あり、これ便利ありと、
カラフルなライターさんが登場予定です。
レシピ情報にエピソードを添えて、
あるがままのリアルな暮らしの1コマを共有していきたいと思います。
-- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2020年1月17日
☆どうもありがとうございました。


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