メルマガ色鉛筆第167号シリーズ 「コーラスあおいとり」1

シリーズ 「コーラスあおいとり」1
メルマガ色鉛筆編集チーム
 こんにちは。
メルマガ色鉛筆編集チームです。
今号より新シリーズがスタートします。
視覚リハビリテーションの中から生まれた活動を共有します。
 京都ライトハウス鳥居寮には文章講座という訓練科目があります。
この講座のコンセプトは二つ。
質問力・説明力をつけてコミュニケーション力をアップさせよう。
心に鏡を置いて自分と対話しよう。
なんだか大それた目標がありそうですが、
グループセッションを通して自己表現を楽しむ時間です。
楽しむ?、そんな悠長なことない、宿題は大変だと訓練生さんが大騒ぎする声も
聞こえてきそうです。
そんなにぎやかな講座を修了された方が集う場があります。
文章講座修了者の会あおいとりです。
文章を書いたり、読んだりを重ねながらつながっておられます。
このあおいとり、実は1歳のお誕生日を迎えました。
1歳を過ぎるとそろそろあちこち歩きたくなるお年頃ですよね。
あおいとりがふらっとお散歩してそこで出会う人とおしゃべりする。
そんなゆるい雰囲気のシリーズを企画しました。
あおいとりから生まれた作品に現役訓練生さんがフランクなコメントを寄せられ
ました。
OBさんと現役さんの言葉のコーラスを色鉛筆からお届けします。
題して「シリーズ コーラスあおいとり」
見えない・見えにくい、それがきっかけで同じふるさとを持つ人たち。
そんな皆さんの思い、やさしいピヨピヨカッコーをどうぞ。
あおいとりレポ1 「ありがとう」という言葉
ペンネーム きつね色エビフライ(40代 男性 弱視)
皆さん
ありがとうの反対語って知っていますか?
ありがとうを漢字で書くと
有ることが難しいと書きます。
つまりそれは貴重で
奇跡だということです。
だから
ありがとうの反対語は
当たり前なんだそうです。
「ありがとう」という言葉
大切にしたいですね。
ーー
 ここからは現役訓練生さんの登場です。
 
★ありがとうエピソード1
実家に帰ってお母さんの硬い体を揉み解すのが私の修行。
頼りになって甘えさせてくれたその体が、段々と小さく丸くなっていくのを感じる。
「今日はどこがしんどいん?」って聞きながら軽く凝りを調べるけれど、
凝っていないところを探す方が難しい。
施術が終わったら「気持ちよかったわーありがとう」と言うお母さん。
顔が見えないけれどきっと優しく微笑んでくれている。
だから私も笑顔で「いえいえ、こちらこそ揉ませてくれてありがとう」と返す。
たったの五十分間だけど私ができる精一杯の親孝行。
いつもありがとう、お母さん。
★ありがとうエピソード2
 僕は、家族にお茶を入れてもらった時に「ありがとう」を言うようにしています。
何も言わずに受け取ったら「ありがとうを言わないと、入れへんで!」と、
冗談を言われました。
それがこの「ありがとう習慣」の最初です。
ありがとうの反対語が「当たり前」と聞いて、
小さなことでもありがとうと言える人間になりたいなと思いました。
家族に面と向かって「ありがとう」と言うのは、少し照れくさいですが、
身近な間柄だからこそ大切かもと感じました。
★ありがとうエピソード3
私は寮生活をしています。
寮にはいろいろなルールがあります。
お風呂に一番最初に入る人が脱衣所にひくマットを取りに行くのも、ルールの一つです。
そこでだいたい毎日お風呂マットを3階に取りに行くというのが私の習慣になっています。
寮のメンバーさんから、いつもありがとうという言葉をかけてもらっています。
何気ない日常の出来事でも、ありがとうと言われるのはうれしいものです。
何気ないありがとうが私にとってはとても大切な言葉になっています。
これからも私自身が進んでありがとうという言葉を使っていこうと思っています。
★ありがとうエピソード4
ありがとう!なんて素晴らしい言葉なんでしょう。
美しい日本語のNo.ワンです。
最近、我が家に織機フラミンゴがやってきました。
息子がプレゼントしてくれました。
心の中で100連発ありがとうと呟きたいほど嬉しかったです。
フラミンゴのお陰で私の余生に潤いあることがたまらなく嬉しいです。
「息子よ ありがとう」
我が家にフラミンゴが来てから3週間になります。
この期間にストールを12本織りました。
そして差し上げます。
お世辞でも「まぁ綺麗なこと。素敵なストールありがとう」、声が喜んでいました。
私も心の中で喜んでいます。
今日もせっせと右に左にシャトルが動いています。
★ありがとうエピソード5
「ありがとうございます」と3、4歳のこどもを2人連れたお母さんが私に言った。
お母さんは私が譲った席にこどもを座らせた。
2人のこどもはニコニコ笑っていた。
席を譲った甲斐があった。
その笑顔で親子3人分の「ありがとう。」をいただいた気がした。
よく見れば、お母さんはこども以外にバギーまで片手にかかえていた。
やっぱり譲ってよかった。
さらによく見れば、お母さんは髪こそ黒いが、やややんちゃな雰囲気だった。
黒のミニワンピースで肩はオフショルダーとパンチあるスタイルだ。
子育て真っ最中、かんばってます。
そんなメッセージがその勢いあるファッションからもあふれていた。
私も以前なら、ミニも肌出しだって!
冗談はさておき、「ありがとうございます」って
言われるとテレるがやはりいい言葉だ。
★ありがとうエピソード6
 白杖を持つ老人には二種類ある。
と言っても圧倒的多数と少数に分けられる。
停車したバスの番号を教えた時、お礼を言う人と言わない人がいる。
そしてごく少数の方はもちろんお礼を言わない人だ。
 この前久しぶりにそのケースに出会って複雑な気持ちになった。
 しかし、有難いことに発想を変えるきっかけにもなった。
私は視覚障がい者であり、ついでに耳が若干聞こえにくい。
ひょっとしたらそのご老人はお礼を言ったけど私には聞こえなかったかもしれない。
だからこれからは相手の背中を感じよう。
目は口ほどにものを言うなら背中も語るにちがいない。
そう思うとあの人の背中からは謝意が出ていたと思う。
ーー
 ありがとう、その言葉を発する人、受け取る人、
どちらの心にもありがとうの花が咲いているようです。
そこで1曲、
「フローリア」 佐香智久さんの歌を紹介します。
♪フローリア ずっと色褪せない
答えをいつだって探してる
君が君を愛せたら
それが君だけの花になる
やがて君だけの花が咲く♪
 色褪せない思いをありがとうという言葉の中に感じます。
当たり前ではないということも感じます。
シリーズ コーラスあおいとりでは、心のさえずりを言葉のコーラスに仕立てて
お届けしていきます。
次回の唱和ではどんな色が描かれるでしょうか。
それでは皆様、ご機嫌よう。
このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2019年9月6日
☆どうもありがとうございました。


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