メルマガ色鉛筆第149号「ひとひら」リレーエッセイ9
タイトル 「ひとひら」リレーエッセイ9
メルマガ色鉛筆編集チーム
こんにちは、メルマガ色鉛筆編集チームです。
今号は、しりとりスタイルのタイトルでリレーエッセイをお届けします。
暮らしの中の体験ひとひら、記憶ひとひらをつなぎます。
146号の「先生と生徒」、「友達」のバトンを受けて、
「チョコレート」、「とりあえずやってみる→トモニー」というタイトルでのエ
ッセイです。
タイトル 「チョコレート」
ペンネーム くるくる回る青色(30代 男性 弱視)
毎年、1月下旬から2月にかけてまちにはチョコレートが溢れ出す。
学生時代の僕は、この時期が好きではなかった。
バレンタインチョコレートがもらえるでもなく、ただもらっている人をうらやま
しく眺めていた。
しかし、今はこの「チョコレートシーズン」が好きだ。
この時期に合わせてさまざまなチョコレートが売られているからだ。
チョコレートは女性が男性に贈るためだけでなく、
自分用に買ったり、友達どうしで交換するために買うことも増えているみたいだ
。
そのため1人当たりの購入量も増え、種類、売り場面積ともに拡大していると思
われる。
今年も、母と一緒に阪急梅田のチョコレートフェアに出かけた。
昨年、たまたま梅田に出かける用事のついでに立ち寄ってみたのがきっかけだ。
特に興味もなく、ふらりと足を踏み入れただけなのに、僕はチョコレートに魅了
された。
たくさんの試食、いろいろな国の珍しい種類のものがあった。
売り場面積もとても広く、
あちこち見ても見ても「まだまだこんなにチョコレートがある!」という感じだ
った。
試食をあれこれいただいたため、最後のほうは口の中があまあまになり、味の違
いがわからなくなってしまった。
後味が紅茶風味のチョコレートや、イチゴを挟んだチョコレート生地のサンドイ
ッチがおいしかった。
子どもの日、クリスマス、お正月と、たいていのイベントは子どもの時のほう
が印象深く、また楽しいものだった。
しかし、バレンタインは違った。
1年のうちでたくさんの種類のチョコレートを食べられるのはこの時期だけだ。
また来年、再来年も行けたらいいなと思う。
ちなみに、僕のことをスイーツ男子と呼ぶ人がいる。
「甘いものがあるとテンションが上がるのは女性だけではない」と、ここに宣言
しておこう。
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なんとなく行ってみたら、自分の中の何かが変わった。
ささやかな出来事の中での気づきがあったようです。
バトンがいつの間にかチョコバーになってないかしら?と、甘い想像をしつつ
のリレーです。
タイトル 「とりあえずやってみる」
ペンネーム セラミックホワイト(20代 男性 弱視)
「と」で始まるタイトルを考えていて、まず浮かんだのが「とりあえず」とい
う言葉です。
やる気が出ない…、そんな時は「とりあえず始める」ことが重要らしいです。
やる気が出ないという悩みは、人間誰しも抱えてしまうものでしょう。
仕事や勉強などをやろうと思っても、やる気が出ず、時間だけが過ぎる。
○○をしなくてはいけない…、頭ではわかっているけれどなかなかその気になれ
ない。
そんな時は、「とりあえず始める」がとても大事とのこと。
ツイッターやインターネット上で聞いた話なのですが、確かにその通りだと思い
ました。
やる気があるかないかよりも、実際に始めてみることのほうが大事なのではな
いか?
始めてみたら不思議とやる気が出てきた。
このような意見もありました。
確かに宿題などでも、始める時はやる気のない状態なのに、やっていくうちに
やる気が出てくる。
そんな経験、一度や二度じゃありません。
何はともあれ、とりあえずやってみることが大切なのだと、改めて思いました。
皆さんも、やる気が出ない時はとりあえず始めてみてはどうでしょうか?
もしかしたら途中でやる気が出てくるかもしれませんよ。
というわけで、とりあえず書き始めてみたら私にもエンジンがかかってきたの
で、以下のタイトルでも書くことにしました。
タイトル 「トモニー」
とりあえずなエッセイを書いた後に思いついたタイトルは、「トモニ―」です
。
今、私はトモニーというところに通っています。
トモニーは、京都ライトハウスの4階にある就労支援事業所です。
ざっくり説明すると、視覚などに障害のある18歳以上の方が作業を通じて社会
参加する場です。
「アルバイトを再開したい。けれど、片目が見えない状態では普通のアルバイト
は厳しいかもしれない…」、
そういった理由からトモニーで作業訓練をさせてもらうことを決めました。
今は週3回、月・火・水の13時から16時まで働かせてもらってます。
作業内容は布の裁断、接着芯貼り、緩衝材作り、巾着のひも通しなどです。
始めてまだ2か月ということもあり、作業中は失敗ばかりしています。
片目での布の裁断、これが予想以上に難しかったです。
とにかく距離感がつかめない。
まっすぐ切っているつもりが切れていない…、こういうことがしょっちゅうあり
ます。
左目は見えているとはいえ視力はだいぶ悪いので、
接着芯貼りなどもうまくいかず、日々へこんでいます。
ただ、まだまだ伸びしろはあるはずなので、これからも頑張っていきたいと思
ってます。
一般就労を目指すためのステップ、その一つがトモニ―だと信じて。
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とりあえずやってみるという気持ちから生まれた語りは、
今の自分、これからの自分を思うきっかけになったようです。
「なんとなく」と「とりあえず」から、やってみること、そして次へという気持
ちが生まれたようです。
それぞれの人生のひとひら、ほんのりと思いをつなぎながら、
次回のリレーエッセイへと続きます。
-- このメールの内容は以上です。
発行: 京都府視覚障害者協会
発行日: 2019年3月1日
☆どうもありがとうございました。