ポスター メルマガ色鉛筆 第26回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 in 川崎・鶴見 2017

見えない・見えにくい人の暮らしの中のあれこれを、見える人はどう見ているのか
メルマガ「色鉛筆」へ 見える私からのメッセージ
京都府視覚障害者協会 メルマガ色鉛筆編集チーム ○石川佳子 小寺洋一
(このページでは、ポスターの内容を文字で説明しています。ポスターの写真は、近日中に追加掲載させていただきます。)
会場配布の号外の内容はこちら
大きな木をイメージした図表になっています。
大地には研究の目的と方法が書かれています。
■目的■
京都府視覚障害者協会では、見えない・見えにくい状況にありながら、人や情報とつながりがない「まだ見ぬ仲間」へ、「あなたは一人ぼっちじゃない」と声をかけるために、メールマガジン「色鉛筆」を創刊した。七転八倒の今を生きるライターが語るレポートは、見えない・見えにくいならではのリアルな日常であり、当事者の読者へQOL向上のヒントを提供し、地域や立場を越えて視覚障害の理解につながる啓発を担うものである。
平成25年11月創刊、月2回程度配信、29年2月現在20~70代のライター50名により102のレポートを届けた。当事者からは共感、晴眼者からは心のバリアフリーにつながる読者コメントが全国から寄せられた。
読者による口コミは、人と情報をつなぐかけはしとなり、29年2月現在の読者登録数は1,222件、メーリングリスト転載協力6グループ450件、合計1,672件となった。また、外出時や福祉授業などでマイクロ色鉛筆カードを活用することで、「読者以外にも情報を届ける」啓発としての役割も担っている。
これまでにも読者と共有するというテーマでのシリーズ配信を複数実施した。今回は見える人は「色鉛筆」から何を感じているのか、晴眼者のあるがままの声を受け取ることを目的にレポートへの感想文をまとめることにした。
■方法■
「色鉛筆」のレポートにあるがままの感想コメントを書いてもらう。対象者は全て晴眼者、行政、教育、医療、福祉、メディア、研究者、ボランティア、家族、子ども、他の障害を持つ人などを対象とし、編集部から50名に協力を呼びかけた。
木の幹には結果と考察が書かれています。
■結果■
50名の依頼先から、さらなる協力者の呼びかけへと拡がり、41名より感想文が寄せられた。感想文は本メルマガの「見える人の声」シリーズとして配信し読者と共有する。寄せられた41のコメントを以下に分類するとともに、コメントの中からエッセンスを取り出し、ここに報告する。
● 色鉛筆から得た「自分への気付き」
● 色鉛筆から得た「見えない・見えにくい世界の発見」
● 色鉛筆に求めるもの・展望
● 色鉛筆をきっかけとした社会への呼びかけ
■考察■
見えない・見えにくい人の暮らしをあるがままに語る色鉛筆を読むことで、見える人は「見える・見えない・見えにくい」を越えた視点で他者を理解し、共有し、共に考え、声を届けるというアクションに結びついた。
見えない・見えにくい人のアクションから見える人のアクションへの連動、この結果から当事者同士で情報や思いを共有し、それを社会に向けて発信することは、同時に視覚障害者理解の啓発につながるものであると言える。
木には、7本の枝が伸びています。
そこに葉っぱのように、41のコメントが並んでいます。
レイアウトは、
枝1が中央
右側
枝2 恋愛、家族、きずな、子育て
さらに右側
枝3 ファッション マナー
枝4 学校、仕事
左側
枝5 失敗談
さらに左側
枝6 趣味
枝7 外出
以下、感想抜粋のコメントです。
A B C D の文字は、
A 色鉛筆から得た自分への気付き
B 色鉛筆から得た見えない・見えにくい世界の発見
C 色鉛筆に求めるもの 展望
D 色鉛筆をきっかけとした社会への呼びかけ
…に分類した結果です。
その後に、感想が書かれた色鉛筆メールの号数、最後に感想コメントのID番号を便宜上、書いています。
枝1
全般
「ファッショナブルに素敵に点字を着る」というコンセプトで、点字の凸の箇所をオレンジ色に染めた洋服を作った。
私は決して生きることが器用ではない。点字を模様にすることは私にとって光や希望を意味する。それは私が色鉛筆から受け取ったもの、「ひたむきに生きることは素敵でかっこいんだ」と。
A (全般) 20
私の生活はこんなに鮮やかに色づいているのかな。いつも元気をもらう。
A (全般) 32
本当の不便さを理解出来ていない人が多く、サポート対応も十分ではないだろう。
現在、視覚障害の方と、ご一緒する機会があり、一人でおられるので、「声を掛けて、握手して、世間話をして」程度のお付き合いです。でも、すごく嬉しそうにされるので、こちらも嬉しくなります。
A (全般)39
テーマ「見える人は、見えない人・見えにくい人の暮らしをどのようにみているのか?」は考えれば考えるほど私にとっては違和感がある。視覚障害の人たち、その他の障害を持った人たちも、そして晴眼者といわれる人も色々な個性を持っていて、気に食わない人もいれば気の合う好きな人もいる。
「…暮らしをどのようにみているのか」は今の私にとってはAさんはAさんを生きてるという感想しかない。
A (全般) 40
★意識的にもスキル的にもリスペクト出来る方が多い。身体的な感覚、特に指先の感覚の素晴らしさ。情報処理の素晴らしさ。プログラミングなどのPCスキルのことではなく、頭の中での情報処理のこと実に論理的かつ簡潔に分かり易く話をされ、様々な意見を的確にまとめて自分の意見を言われる方が多い★高い集中力を持つ人が多い。
この集中力を何時間も継続的に続けることは難しく、見える人の何倍もの疲労度があるだろう。日々の暮らしの中ではオン・オフをうまく使い分け、高い集中力を維持しながら、高いパフォーマンスを発揮されている。
B (全般) 26
寄り添う・・・とはいえども、どこまで寄り添えているのか? その穴を100%埋められるわけではないですが、色鉛筆で、「はっ!」と気付かされることも。
メールという距離感だからこそ、伝えられること、感じ取れること、匿名性だからこそ、さらけ出せることが、たくさんあると思う。
B (全般) 29
皆さん、自分の障害を克服して立派に社会生活を送っておられる方が多いですね。私も肢体障害者であって良かった、悔いはありません。
視覚障害者の方は謙虚な方が多く、どんな人かなという憧れを持つことがあります。
B (全般) 38
障害のあるなしに関わらず、嬉しい、悲しい、苦しい、悩むことは、みんな同じなのに、"障害"という言葉でひとくくりに表現し、優劣を作ったり、壁を作ったり、互いに互いを、どんどん窮屈にさせている。
そうしたイメージを払拭し、より一層相互理解につながるものになってほしい。色鉛筆にはそれだけの影響力がある
C (全般) 28
★ロービジョンの方の葛藤や白杖を持つまでの気持ちの変化などは、特に眼科関係者に読んでもらいたい。
★医療従事者と患者のコミュニケーションが重要。
★中途障がいで、かつロービジョンのかたが多いので、健常者と障がい者の両方の視点があり、その狭間にいることの苦労はそれぞれの環境やパーソナリティによって多様。
★「見える人は、見えない・見えにくい人の暮らしをどのように見ているのか?感じているのか?」、「見える人、見えない人、見えにくい人、それぞれの思いを共有することから共生への一歩へ」。掲げられたテーマの根底には、見える人と見えにくい・見えない人との対立概念が横たわっているのではないか★ひとりひとりの思いを丁寧に綴っていくことが他の人の生活の彩につながる、それが「色鉛筆」の良さ。
D (全般) 25
見えることを前提に日々を当たり前に過ごしている私達は障碍のある方達とどう向き合っていけばいいのか。
少しでも生活しやすいサポートができるように、機会あるたびに思い、行動できるようになれればと。そして、このことを沢山の人と共有し、助け合う社会が築かれることを祈る。
D (全般) 27
枝2
恋愛
恋人ができ結婚された優しく力強いライターの方へエールを贈る私。
B (53号 恋愛) 37
家族、
「何かお手伝いできることはありますか」と、しり込みすることなく声をかけたい。
A (25・38号 家族) 9
★料理の献立特集、作ってみたら、手軽でおいしい。
★せめて笑ってほっとする気分になってもらえたら嬉しい。心のトゲをぬくのは困難だとしても心のドアは開かれていてほしい。そんな色鉛筆の言葉と私の朗読への思いは重なる。
A (70号 料理 83号 家族) 21
きずな
彼は白杖を持っている以外は学生時代とほとんど変わらない。
彼にとって、辛さや楽しみを分かち合える存在でありたい。
A (40号 再訪) 7
子育て
子育ても仕事も忍耐強く、と教えてもらえた
A (39号 子育て)  4
子供の健診はゴールまで行きつくのに一苦労。目が見えづらいママさんや、耳が聞こえにくいママさんたちへのサポートが、臨機応変に受けられるような改善が必要。
一緒に子育て頑張っているママとして、同志のような心強い存在。
D (54号 子育てと仕事) 36
枝3
ファッション
色々な方法でオシャレを楽しまれている。本人の意思なんかほとんど反映されていない、人任せなんて思っていたのは大間違い、
B (2号 ファッション) 16
マナー
障碍をもつ方の実情について、私達が無知であることを痛感。
障碍について多くを知り、共に生きて行くという意識を持つことが重要
D (72号 マナー) 33
枝4
学校・仕事
見えない、見えにくい方々の暮らし、現状は見えていない(自分から取りに行かないと情報が入ってこない)。手を上げ、声を上げ、こんな私たちもいるのです、と発信し続ければ。
たくさんの人に意識され、色んな事が進化していくのではないか。たくさんの発見や知らなかった部分を理解することができた。同じような失敗がある。
D (28・30・32号 失敗談 42号学校) 5
晴眼者は、視力障害の方々のニーズやウォンツを聞く機会がほとんどなく、助けたいけど何をサポートすればよいかわからない。だから、お互い真っ直ぐな気持ちで素直に語り合える場が必要。
人と人との心のつながりの大切さを再認識。障害者差別解消法の実践は、心のつながりを作るところからはじめなければいけない、まさに色鉛筆。
D (42号 学校) 14
枝5
失敗談
街のいろんなもの、目が不自由なら使いづらいだろうな。
視覚障がい者との出会いから知ることの大切さを学んだ。
B (28・30・32号 失敗談) 13
とりあえず受けとめる、ときには受け流す。これが「障害の受容」。人生を続けていくための知恵をひとつもらった。
A (32号 失敗談) 17
視覚障がい者と長くお付き合いしているつもりの私、まだまだ日常生活について知らないことが多いことを痛感。
B (32号 失敗談) 8
体に障碍を持っている人に優しい生活環境は、すべての人にやさしい生活環境。
色鉛筆を通じて、皆さん達から、いろんな問題を世の中に問いかけてください。
C (28・30・32号 失敗談) 10
「しっかりしなくちゃ!」自分の甘さに気付く。
見える世界、見えない世界は大きな差がある。
晴眼者には分からない不便さ、無念さが少しでも晴眼者のこころに届けば。
D (32号 失敗談) 1
枝6
趣味、
アイフォーン
もっともっとアイフォーンの良さを知り、使いこなせれば楽しい世界が開けることを多くの視覚障碍者にお知らせしたい。
D (14号ほか アイフォーン) 15
映画
★映画は「見なくても」 十分楽しめるものなんだ、ということを再認識。
★ユニヴァーサル汎用になっていくのはとてもうれしいこと。デジタルに強い人たちだけのものでなく、気軽に相談できたり 教えてもらえる人たちが身近にいるようなつながりが大事。
D (89号 映画) 22
娯楽をひとつひとつ、大切に丁寧に、工夫して楽しむこと、そしてその楽しみを誰かと共有することで映画そのものの楽しさだけではなく、一緒に映画を見たその人との関係性をも含めた楽しみへとより一層膨らむ。
娯楽とはただ楽しむのではなく、それを介して人と人とのつながりを深め、充実感・幸福感を育むことこそ大切であると再確認。
B (87号 映画) 23
「観る」から「聴く」に変わったことで、見える私よりもずっとビビッドに、好きな映画と向き合えたのかも。
色鉛筆を読み終えるとすこし前向きになるような、そんな涙が出る
B (85号 映画) 41
UDキャストなど、同じ気持ちで楽しめる娯楽についてもっと知りたい
C (89号 映画) 30
音楽、
視覚障害の方は言葉で伝える力がある。
視覚障害の方には少し近寄り難いものがあり、最近親近感がわくようになり、街で見かけると少し優しい気持ちになり、でもまだまだで。
A (44号 趣味) 19
ハンデがあってもなくても初めてのことにチャレンジされる方の「できた!」を一つでもたくさん生み出すお手伝いができるように、私自身が進化していきたい。
A (44号 趣味) 34
眼の感覚に頼らずにギターを練習、指の感覚が研ぎ澄まされていてすごい。
B (44号 趣味) 35

親子で一緒に考えた時間、楽しかった
A (60号 外出エピソード2) 3
一人旅、その勇気がすごい
B (60号 外出エピソード2) 2
まぶしすぎる色鉛筆、読者の辛口コメントにほっとする
C (共有しましょうシリーズ 45号 旅) 31
自然
穏やかで温かい気持ち、心豊かになりたいな。
A (81号 自然) 6
社会の中にあって、日々の暮らし、日常を率直に本音で語れる場所は意外と少ない。だからこそ、一人から仲間へと思いの共有ができる、色鉛筆のとりくみは、貴重ですばらしい。
C (0号 36号 自然) 18
枝7
外出
視覚障害のお友達とおつきあいして20年、私が知っていると思っていたのはごくわずかなこと。「とにかくやってみる」という姿勢がすてき。
B (60号 外出エピソード2) 12
視覚障害者の方の日常が身近になり、想像しやすくなった。
サポートの声かけや見守りは、障害の有無に関係なく普段することと同じ感覚の行動。「こんなのでよいので続けてよ」とか、「もっとこうするべき」ということを、色鉛筆を通して教えてください。
C (58・60・62号 外出) 11
障がいの種類や程度、手助けの必要性は人によって様々、それをすべて理解することは難しい。だからこそ、"声をかける"ということが大切。困っている方に気付き、自然に"声をかける"ことができ、それによって自然とお互いが笑顔になる、そんな街に、国になればいいな。
D (60号 外出) 24

関連画像

画像1
ポスターの写真


現在、シンプルな表示の白黒反転画面になっています。上部の配色変更 ボタンで一般的な表示に切り換えることができます。


サイトポリシー | 個人情報保護方針 | サイトマップ | お問合せ | アクセシビリティ方針 | 管理者ログイン